ザ・プロフィット 利益はどのようにして生まれるのか

ザ・プロフィット』を読んだ。23 の利益モデル (ビジネスモデル) をストーリー仕立てで解説している。普段、自社の利益のことをあまり気にせずに仕事をしていたので、「自分の仕事がどれだけ自社の利益に結びついているか」「自社のサービスで新しい利益モデルを確立できるか」などを考える良い切っ掛けになった。

利益モデルといっても小難しいものではなく、聞けばなるほどと思うものばかりだった。いくつかを掻い摘んで紹介する。

  • 製品ピラミッド利益モデル

    複数の価格帯を設けて、それぞれが異なる顧客層をターゲットとする。この利益モデルの重要なところは、廉価帯の商品が競合の参入をくい止める防御壁として機能すること。最近のテレビゲームの市場には、手ごろな価格の「ベスト版」という価格帯が設けられているが、それは、ライトユーザ向けの商品であるのと同時に、中古市場に対する防御壁にもなっている。

  • マルチコンポーネント利益モデル

    同一の商品で複数のビジネスを展開する。文中では、コカ・コーラを例にしている。コカ・コーラをスーパーで購入する場合と、自動販売機で購入する場合と、レストランで注文する場合で価格が異なる。つまり、付加価値のレベルで価格を設定している。コカ・コーラ以外の、マルチコンポーネント利益モデルを適用したビジネスは……、電車の自由席に対する指定席や、特急券の販売。

  • インストールベース利益モデル

    ハードウェアではなく、消耗品で利益を得る。コピー機のインクやかみそりの刃がそう。アフターサービスなどで儲ける「販売後利益モデル」に似ている。身近な例だと、ネットワークゲームが当てはまる。パッケージ販売の利益率よりも、サービス利用料の利益率の方が遙かに高いだろう。

他にも、マイクロソフトの「デファクトスタンダード利益モデル」といった具合に、どの企業がどの利益モデルを適用しているか当てはめてみると面白い。