グラフィックデザインとユーザインタフェースデザイン

プログラマのためのユーザインタフェースデザイン

UCD の話である。プログラマでなくとも、ウェブ制作に携わる人には一読の価値がある。

ウェブサイトをデザインする行為の、デザインという言葉には、グラフィックデザインとしての意味の他に、情報デザイン、そして、インタフェースデザインの意味も含まれる。これらの全てのバランスが取れていなければ、優れたデザインとは言い難い。

デザインのプロセスで、グラフィックデザインに対する比率を高くすることにより、制作者の意図は「ユーザがコンテンツを楽しむこと」から「ユーザが視覚効果を楽しむこと」に無意識にシフトされてしまう。

10 年ほど前、ファイナルファンタジー 7 をプレイした。このゲームは、頻繁に使用する魔法の演出の時間が度を超えて長かった。しかも、信じられないことにそれをスキップすることが出来なかったのだ。魔法を使用するというアクティビティの目的は「魔法による効果を得る」ことであって、決して「魔法の視覚効果を楽しむ」ことではないのは明白であるにも関わらずだ。

前例のない新しい演出を考え、実践するのは良いが、それがユーザインタフェースに影響を及ぼすのは現実的ではないだろう。先のテレビゲームのような豪華な演出は、暫くの間は面白いと思っても、何度も使用している内に、確実にフラストレーションが発生する。

もし、ユーザインタフェースに視覚効果を持たせるならば、可能な限りターンアラウンドタイムを短くすべきだ。具体的には、ユーザがイベントを発生させてから目的の情報に辿り着くまでの時間を制約条件として設定する。設定した条件を満たさなければ再考するといった具合だ。

では、制約条件をどのように決定すればよいか。それは、冒頭にある記事のようにユーザモデルを作り上げれば良い。そのユーザモデル自体が制約条件として機能してくれるだろう。