ゴールの共有

どのようなプロジェクトにもゴールが存在します。プロジェクトを成功に導くためにも、プロジェクトメンバとクライアントは、ゴールの存在を常に念頭に置いて、プロジェクトを進めていかなければなりません。それは、お互いに同一のゴールを定義して、コンセンサスが得られていることが前提となります。プロジェクトメンバとクライアントが、互いに異なったゴールに向かっていると、プロジェクト終盤に意見の相違が必ず発生します。

ソフトウェア開発の実体は、経験していないので解りかねますが、ウェブサイト制作の現場は、要件定義や進捗管理への認識が甘いように思えます。大抵のウェブサイト制作プロジェクトは、短い納期の間に、急激な変更に対応しながら行っていくのが当たり前です。しかし、そのような反復型プロセスでプロジェクトを遂行していくと、クライアントからの要求が際限無く発生します。

要求や変更が増加するにつれて、プロジェクト開始前に双方が同意の元で定義した (と思しき) ゴールにズレが生じます。これがまずいんですね。要件を文書化して定義しておかなければ、要求と要件の区別がつかなくなり、収集がつきません。やるかやらないかを揉めている間にデッドラインが迫るだけです。

また、要求はクライアントからではなく、プロジェクトメンバ内からも発生します。デザイナや設計者が体現したい事を、あれもこれもと全て盛り込もうとすれば、納期に間に合わなくなることは明白です。時間をかければクオリティが向上するのは当たり前ですが、その分、コストが増します。プロジェクトメンバは、プロジェクトの規模 (ゴール) を把握し、コスト意識を高めることを必要とされます。

最近、広告としてのウェブサイトでも、Flash 等を用いたアプリケーションに近いものが増えています。プロジェクトを成功 (win-win) に導くためにも、要件定義と適切なスケジューリングを行い、プロジェクトに関わる者同士でゴールの共有を計っていくべきではないでしょうか。