『パラダイムの魔力』の読書メモ。
要するに
既存のパラダイムに囚われてはいけないよ。視野を広げて未来を想像しましょう。という話。この本でのパラダイムという言葉の定義は
ルールと規範であり、境界を明確にし、成功するために、境界内でどう行動すればよいかを教えてくれるものである。
とある。いまちいピンと来ないが、一言で「メンタルモデル」とか「考え方」で間違いないと思う。あまりに夢見がちなのも良くないと思うけど「そんなの無理!」と決めつけるのはもっと良くない。多様性を許容し 360 度の視野を持ちたい。
目次
- 将来を見つめる
- 先見性が勝負を決める
- パラダイムとは何か
- 新しいパラダイムはいつ現れるのか
- だれがパラダイムを変えるのか
- だれがパラダイムを開拓するのか
- パラダイム効果とはなにか
- パラダイム効果の実例
- 二十世紀のもっとも重要なパラダイム・シフト
- 振り出しに戻る
- パラダイムの重要な特徴
- 管理者とリーダーのパラダイム
- 一九九〇年代のパラダイム・シフト
- そして、時は行く
iPhone と Flash
ちょっと前に話題になった iPhone に Flash が乗らない話。これもひとつのパラダイム・シフトです。僕は「Web サイトには "当然" Flash が表示される」と思い込んでいました。
「どのようなキッカケでこの技術が陳腐化するのだろう?」
「この技術が陳腐化したらどんな世の中になるのだろう?」
と考える、未来への準備が全くできていなかったのです。
新しいパラダイムは、古いパラダイムで生きているすべての人に、大きなリスクを負わせる。その人の地位が高いほど、リスクは大きくなる。現在のパラダイムに習熟しているほど、投資したものが大きいほど、パラダイムが変わって失うものは大きい。
マネジメントとリーダーシップ
イノベーションやメンタルモデルに関する本かと思いきや、リーダーシップ論にも触れています。僕は、マネジメントとリーダーシップを分けて考える派で (これもパラダイム…)、それを簡潔に表現した文章がありました。
どういうことかというと、
管理者は管理し、リーダーは革新する。
管理者は短期的な視野を持ち、リーダーは長期的な視野を持つ。
管理者は「どのように」「いつ」を問題にし、リーダーは「何」「なぜ」を問題にする。
管理者は業績をみつめ、リーダーは地平線をみつめる。
管理者は現状を受け入れ、リーダーは現状を打破しようとする。
この違い。
ブタとブス
最後の最後に、ちょっとした小咄が書かれています。一部だけ抜粋します。
車は蛇行しながら接近してくる。ぶつかると思った直前、対向車は左にそれ、すれちがいざま、きれいな女性が窓から顔を突き出し、あらん限りの声で叫んだ「ブタ!」
ふざけるな。男はカッとなって、怒鳴り返した。「ブス!」。
なんのこっちゃ?でしょうけど、この 3 行後のオチが面白いのです。