パラダイムの魔力

パラダイムの魔力』の読書メモ。

要するに

既存のパラダイムに囚われてはいけないよ。視野を広げて未来を想像しましょう。という話。この本でのパラダイムという言葉の定義は

ルールと規範であり、境界を明確にし、成功するために、境界内でどう行動すればよいかを教えてくれるものである。

とある。いまちいピンと来ないが、一言で「メンタルモデル」とか「考え方」で間違いないと思う。あまりに夢見がちなのも良くないと思うけど「そんなの無理!」と決めつけるのはもっと良くない。多様性を許容し 360 度の視野を持ちたい。

目次

  1. 将来を見つめる
  2. 先見性が勝負を決める
  3. パラダイムとは何か
  4. 新しいパラダイムはいつ現れるのか
  5. だれがパラダイムを変えるのか
  6. だれがパラダイムを開拓するのか
  7. パラダイム効果とはなにか
  8. パラダイム効果の実例
  9. 二十世紀のもっとも重要なパラダイム・シフト
  10. 振り出しに戻る
  11. パラダイムの重要な特徴
  12. 管理者とリーダーのパラダイム
  13. 一九九〇年代のパラダイム・シフト
  14. そして、時は行く

iPhoneFlash

ちょっと前に話題になった iPhoneFlash が乗らない話。これもひとつのパラダイム・シフトです。僕は「Web サイトには "当然" Flash が表示される」と思い込んでいました。
「どのようなキッカケでこの技術が陳腐化するのだろう?」
「この技術が陳腐化したらどんな世の中になるのだろう?」
と考える、未来への準備が全くできていなかったのです。

新しいパラダイムは、古いパラダイムで生きているすべての人に、大きなリスクを負わせる。その人の地位が高いほど、リスクは大きくなる。現在のパラダイムに習熟しているほど、投資したものが大きいほど、パラダイムが変わって失うものは大きい。

マネジメントとリーダーシップ

イノベーションやメンタルモデルに関する本かと思いきや、リーダーシップ論にも触れています。僕は、マネジメントとリーダーシップを分けて考える派で (これもパラダイム…)、それを簡潔に表現した文章がありました。

管理はパラダイムの中でおこなうもの。パラダイムの間を導くのがリーダー。

どういうことかというと、

管理者は管理し、リーダーは革新する。
管理者は短期的な視野を持ち、リーダーは長期的な視野を持つ。
管理者は「どのように」「いつ」を問題にし、リーダーは「何」「なぜ」を問題にする。
管理者は業績をみつめ、リーダーは地平線をみつめる。
管理者は現状を受け入れ、リーダーは現状を打破しようとする。

この違い。

ブタとブス

最後の最後に、ちょっとした小咄が書かれています。一部だけ抜粋します。

車は蛇行しながら接近してくる。ぶつかると思った直前、対向車は左にそれ、すれちがいざま、きれいな女性が窓から顔を突き出し、あらん限りの声で叫んだ「ブタ!」
ふざけるな。男はカッとなって、怒鳴り返した。「ブス!」。

なんのこっちゃ?でしょうけど、この 3 行後のオチが面白いのです。