『イノベーションと企業家精神』を読んだ。ケーススタディこそインターネットなど無い時代のものだが、イノベーションと起業家精神の原理は普遍的なものなので、現代でも十分に通用するだろう。
イノベーションのための七つの機会
- 予期せぬ成功と失敗を利用する
- ギャップを探す
- ニーズを見つける
- 産業構造の変化を知る
- 人口構造の変化に着目する
- 認識の変化を捉える
- 新しい知識を活用する
四つの起業家戦略
- 総力による攻撃
- 弱みへの攻撃
- ニッチの独占
- 価値の創造
以下、付箋を貼ったセンテンスを幾つか引用しておく。
- 意思決定の本質は不確実性にある。
- 十九世紀における技術史上の最大の偉業は、「発明の発明」であるとされている。
- 必要なことは問いを発することである。しかし統計を読むだけでは十分でない。統計は出発点にすぎない。
- 知識によるイノベーションが失敗するのは、起業家自身に原因がある。彼らは高度の知識以外のもの、とくに自分の専門領域以外のことに関心をもたない。(略) しばしば、顧客にとっての価値よりも技術的な複雑さを価値としてしまう。
- イノベーションに成功するためには、小さくスタートしなければならない。(略) 具体的なことを一つ行うだけでよい。
- 既存企業が起業家たるためには、自らの製品やサービスが競争相手によって陳腐化させられるのを待たず、自ら進んで陳腐化していかなければならない。
- トップ・マネジメントの個性や姿勢だけの力で起業家的な事業を生み出すことはありえない。
- いかに努力しても達成できない目標は、目標として間違っていると考えるべきである。
- 製品やサービスの品質は供給者がつくるものではない。顧客が引き出し、対価を払うものである。
- 革命は解決策にはならない。(略) それは間違った人間に権力を与える。
- 起業家社会において必要とされる政策と対策について考えるとき、最も重要なことは、機能しないものを明確にすることである。
- 二十一歳までに学んだことは、五年から十年で陳腐化し、新たな理論、技能、知識と替えるか、少なくとも磨かなければならなくなる。
※自分が読んだのは絶版となっているソフトカバーの新訳版であり、そちらでは "企業家" ではなく "起業家" となっている。