『わかりあう対話 10 のルール』を読んだ。議論の基礎、ルールの解説と続き、練習問題で締めくくるという、わかりやすい構成。体系だっているという点で、『議論のルールブック』よりこちらを推したい。対話 (議論) が上手くいかないとき、以下の 10 + 2 のルールを思い出し、すぐに修復できるようにしたい。
わかりあう対話 10 + 2 のルール
- 双方の意見が異なっている個々の具体的な例を集め、その内容を抽象化してみる。抽象化した結果が双方の対立点である。対立点がわかったら、それを一つに絞り、程度の問題としてとらえる。
- 相手の主張に対して、直接的、局所的に反応しないように心がける。
- 相手の主張には何らかの背景があることを想定し、なぜ、そう主張するかについての質問をしてみる。
- 互いの根拠のどちらが経験的事実に合致しているかを確認する。
- 示された根拠の具体性、再現性、根拠が得られた手続き (何を何で測定したか等) について明示する。
- 根拠に含まれていないにもかかわらず、主張にはじめて登場する言葉に着目して、根拠と主張の間をつなぐ媒介補助理由を補充する。
- 論拠の内容が経験的事実と合致するかどうかで、論拠の内容を評価する。
- より信頼できる根拠 (経験的事実と合致する程度がより高い) を互いに提示するように心がける。その根拠から導出された結論を受け入れるほうが、拒否するよりも合理的であるかどうかを双方で確認する。
- 根拠から提示された結論以外の結論を導出してみる。このとき、多数の結論が導出できる場合は、根拠と結論のつながりが弱いものと判断し、新たな論証を双方で考える。
- キーワードとして用いられた論理語の意味内容、使用範囲を明確にし、共通了解がとれるようにお互い注意する。
- 寛容の原理
- 論証を展開している人の足を引っ張るような方向で、その論証を再構成するのではなく、可能な限りもとの論証が目指していたかたちに再構成することを心がけるという協力的な態度
- 協調の原理
- 必要な限りの情報を提供する
- 十分な証拠のないことは言わない
- 関係のないことは言わない
- あいまいさを避ける
- 相手の発言に応答する